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当時は、電気測定のニーズが生まれたばかりの時代。
ニッチな市場の覇権を握っていたのは、主にアメリカ製のインナースプリングプローブでした。
「小さな会社が人と同じことをしたら、絶対に負ける」
誰とも戦うことなく、ビジネスをするにはどうすればーー。
そこで生み出したのが「アウタースプリングプローブ」。
インナースプリングプローブとは異なり、精密な電気測定を得意とする製品でした。
ニーズはまだ極一部でしかありませんでしたが、今後の鍵となる商品が生まれたのです。


自社製造の道へと舵を切る



当時、私たちが提供していた製品の品質では、市場のニーズに応えられなくなりつつありました。
製造できる会社を日本中で探したが、分かったことは「品質とコストを両立する製品はつくれない」という事実。
市場は求めているのに、誰もつくれない。
「自分たちがつくれたならば、圧倒的な差別化を実現できるはず」
それからは工場の立ち上げ経験がない中、ゼロから自社工場を設立し製造に踏み出した。
高額な機械設備や製造プログラムを導入するも、うまくいかない日々が続く。
それでも、「できない」と諦めることはありませんでした。
必ずできるようになると信じて、毎日、がむしゃらにやり抜き、とうとう理想としていた品質の製品を量産できる体制ができたのです。

「世界でも戦える」という想い



自社製品の量産体制・開発基盤ができたことから、私たちはドイツで開催される展示会へ出展。
しかし、現地では全く相手にされませんでした。
その後、台湾を中心とした海外の半導体業界から、半導体用プローブの製造を打診されることに。
しかし、求められたのは月産100万本以上のプローブ。当時の生産能力では全く対応できない生産量でした。
「できないのなら、できるようにすれば良いだけだ」。
他社が人件費の安い海外工場を選択する中、私たちは国内での生産にこだわり、自動組立・自動検査装置の開発を形にしました。
その結果、はじめて「自分たちでも世界で戦える」という思いが芽生えました。

想いが確信に変わった瞬間



2014年、私たちは「海外でも戦える」という手応えを胸に、カンボジアに現地法人を設立しました。
しかし、そこで直面したのは、想像以上に大きな壁。
「数ミリのズレ?誤差だから問題ないと思いました」
「やりがいやスキルアップには興味がありません」
日本の「ものづくり」において当たり前だった価値観は、カンボジアには存在しませんでした。
人材育成の難しさ、品質基準の違い、文化の壁——すべてが新たな課題でした。
それでも、私たちは諦めませんでした。試行錯誤を重ね、創意工夫を積み重ねることで、現地拠点は少しずつ軌道に乗り始めました。
スキルも利益も年々向上し、やがて確信へと変わっていきました。
「規模が小さくても、世界で勝負できる」
カンボジアでの経験を通じて、私たちは日本の製造業の強みとその必要性を再認識しました。

日本の製造業を次のステージへ



世界で戦うには、海外進出だけでは足りない。カンボジアでの挑戦を経て直面したのは「時間(時差)」の壁だった。
世界は24時間動いている。日本が眠る間も海外の工場は稼働し、この差を埋めることで日本の製造業はさらに強くなれると考えた。
そこで始まったのが「プロジェクト203X」。
- FA・IoT導入による生産のデジタル化
- 生産性の見える化とキャパシティコントロールによる24時間稼働の実現
- ECサイト活用で「その場で注文・その場で製造」を可能に
この仕組みを日本の中小企業全体に広げることで、日本のものづくりの未来を切り拓く。
単なる企業戦略ではなく、日本の製造業の未来を切り拓けると確信しています。
「プロジェクト203X」— 日本のものづくりを進化させ、世界で戦う挑戦を続けていく第1歩なのです。
