「信用と信頼」を積み上げていくことこそが、会社の利益と成長に直結する

CULTURE & ESSENCE
2026.04.06
#信用と信頼#新卒#転職

サンケイエンジニアリングの哲学に迫る連載インタビュー。これまで「終身雇用」「給与」「残業」「自律」「感謝と互助」といったテーマを通じて、その独自の思想を解き明かしてきました。

最終回となる今回は、「感謝と互助」と合わせて最も重要な「信用と信頼」の価値観に迫ります。道徳的な教訓のようにも聞こえる「信用と信頼」という言葉。これらは単なる精神論ではありません。質の高いアウトプットと同時に「信用と信頼」を積み上げていくことこそ、会社の健全さを保ち、売上と利益を生み出し続ける起点となるのです。今回は、そんな「信用と信頼」の核心に迫ります。

――道徳のようにも聞こえる「信用と信頼」。ビジネスとは無関係に感じますが、一体これはどのようなものなのでしょうか?

ビジネスというよりは……まずは人として、どういう人と付き合いたいか、を想像してみてください。公私どちらも、信用・信頼できる人と付き合いたいですよね。嘘をつく、だます、約束を守らない、いい加減、というような人と付き合うことはできれば遠慮したい、と思いますよね。

良いビジネスパーソンになるには、良き社会人として、信用・信頼のおける人であること。
自分自身が人として、信用・信頼される人であることが大前提です。

その上で、まず相手から「信用と信頼」を獲得すること。仕事はここからがスタートです。

ビジネスに関わる人達の一人ひとりがこれをできるようになると、世界から疑心暗鬼が消え、少なからず紛争を減らすことも可能になるはずです。(争いの発端は大抵が相手への疑心暗鬼からです)私たちが強く「信用と信頼」にこだわる理由は、未来の社会に視点をおいたときに、人として身に付けておかなければならない、絶対に必要なことだと強く思っているからなのです。

そのため、「企業としての売上・利益」よりも「人としての信用・信頼」をまずは大事にしています。

――なんだか壮大なお話にも感じますが、どういった背景からそのような考えが生まれたのでしょうか?

きっかけは、私たちのコンタクトプローブビジネスかもしれません。私たちは「コンタクトプローブを創って、売る」だけで終わらせることはしていません。お客様の測定条件、製品の特性、測定の背景などを伺い、一人ひとりのお客様に丁寧に時間をかけて対峙し、最適なものを考案・提案する方法をとっています。

コンタクトプローブは特殊で厄介な要素をもっています。コンタクトプローブそのものを200%完璧に製作しても、測定対象物の形状や材質、表面処理、測定条件(電流や電圧)など、さまざまな条件次第で、測定不良や使いづらさが発生してきます。またその条件は、お客様、測定条件、製品ごとに異なります。さらには使用していくなかでも経時・経年変化により、使用感に変化が発生するという、なかなか厄介な製品です。

しかし一方で、このコンタクトプローブは、製造業において、電気製品・電子部品の品質と性能を保証する、という厄介で重要な使命をもっているのです。

そのため誰かが、その測定における「最適なコンタクトプローブの選定」を実施する必要があります。コンタクトプローブが不適切だった場合、市場には、動かない、使えない、安心できない製品が溢れることになります。現在の日常生活を考えると、電気製品が正常に機能しない世の中は考えられない、というよりむしろ大混乱になります。そのため「最適なコンタクトプローブの選定」こそがコンタクトプローブメーカーの使命と考え、これまでビジネスを展開してきました。

――そうしたビジネスモデルと信用・信頼を最優先する文化はどのようにつながってくるのでしょうか?

先にもお伝えした通り、コンタクトプローブは使用状況によって同じ測定物(お客様製品)であったとしてもまったく異なる結果が出ることがあります。

そのためまずはお客様の目的(どのように使いたいのか)、測定目的(何を検査したいのか)、測定において重視したいことはなにか(コスト?時間?手間?)などを聞き、実際に製品をお預かりして弊社内で測定を実施します。そして測定結果に基づき論理的に最適プローブを選定します。その過程で出た結果は包み隠さずお伝えし、その上でお客様自身にご納得の上選択いただくということを徹底しています。

この姿勢は、コンタクトプローブがもつ役割・使命から、さらに使用されるお客様の安心のためにも、そして市場に出回る電気製品の安心・安全につなげるためにも、重要な過程だと考えています。

まさにこの姿勢こそが、お客様との信用と信頼を獲得し、未来のビジネスにつなげる第一歩である、と位置づけています。

正直、目先の利益を考えれば、赤字です。不要かもしれませんし、選定によって発生する責任を考えると、ビジネスリスクにもなります。しかし、目先の売上・利益より、まず、信用と信頼の獲得と考えれば必須です。今回注文につながらなかったとしても、次回のご検討や他部署への展開、中には転職先で広めてくださる方もいらっしゃいます。その結果、長きにわたって当社を利用していただける関係を築くことができるようになります。

その結果当社への御注文のリピート率は7割以上。創業以来50年、積極的な営業をせずとも常に御注文をいただける状況につながっています。
(そのための互助と感謝にもつながります。ぜひ第5話もご覧ください)

――なるほど、だから社内、社員同士の信用と信頼も大事にされるのですね。ちなみに社員同士ではどのように「信用と信頼」を構築されるのですか?

社内で信用と信頼を獲得できないが社外、お客様を相手にできるわけがありません。当社にとっては最重要事項です。

当社の社員は実に優秀なメンバーが揃っています。そのため入社したてのときには、「アウトプットを出さなくては!」「とにかく一人で最後までやらなくては!」と思い込み、手段や周囲を顧みずゴールまで辿り着く方がいます。

しかし、それがどれほど素晴らしいアウトプットだったとしても、そこには「信用と信頼」は存在していないのです。

アウトプットを出すまでにはたくさんの気付きがあるはずです。そしてそのかで、「あれ?」という迷いや、「本当に良いのか?」などと思うことが、多々出てきます。そのときに「迷っています」と相談できるか?決めた期日に間に合わないのであれば「間に合わない」ということを事前に伝えられるか?途中で煮詰まってわからないのであれば「わからない」「教えてほしい」という要求を出せるか?

仕事はアウトプットを出す過程で絶対に迷い、悩みます。そして気づきがたくさん出てくるはずです。その気づきに対して素直に第三者に確認できるか?これが信用と信頼の第一歩です。そして次に確認した結果を自分自身のなかで吸収できるか、吸収できないのであれば「なぜ?」の深堀ができるか?まずはこの繰り返しです。

これができて初めて良質のアウトプットに向かっていきます。ちなみに入社1年目のときは、この期間は時間度外視しているかもしれません。(笑)1年間以上たっぷり、この教育に使うためです。

――なるほど、その結果アウトプットがでてくればOKになるのですか?

いえ、まだまだ続きます。ようやく頑張って、ゴール(アウトプット)までたどり着いたところで、今後はアウトプットそのものの評価が待っています。成立している・していない・使える・使えない・使う人のことが考慮されているかなど。これはこれで厳しい評価が入ります。 

この評価に対し、真摯に向き合い、改善・改良に取り組むことができるか?です。どんなに一生懸命実施しても、使えるもの(お客様の要求に叶うもの)でなければならない。そういった意味では評価者もまた、感情を表に出さずにアウトプットのみを真摯に評価することが求められます。

これらの姿勢がお互いに徹底できるかどうかが、社員同士の「信用と信頼」の構築につながっていきます。

――簡単そうにも聞こえる反面、自分にできるかと考えると難しく感じます。

そうなんです。これを仕事で当たり前にできている会社はなかなかありません。なんとなく都合の悪いことからは逃げる。「まぁこんなもんでも良いか」と突き詰めることをしない。そうすると品質は劣化していきます。やがては納期遅延や、ひどい場合には横領・隠ぺいなど、企業・組織は悪い方向に向かってしまいます。

そのため、企業・組織を正しい状況にしておくためにも、つまり胸を張って堂々と仕事をするためにも、「信用と信頼」を築ける仕事の仕方を徹底することが絶対条件です。これが社会を良くしていく一助になることは間違いありません。そのため私たちは入社時から厳しく教育しています。
それでも100%できるようになるのは難しいですけれど……(笑)

――「信用と信頼」を創り続けられることが、強く・正しい組織の第一歩という解釈で合っていますか?

はい。お互い疑心暗鬼で仕事をしても良い仕事はできません。他責にせず、自責として動く。自責で動くからこそ、「できない」「わからない」「困っている」と言える。そして素直に意見・評価を受け入れ、改善・改良策を考える。また、約束したことは守る。変更があれば必ず一報入れる。これが自然にできれば、嘘やごまかしはしなくなります。社員同士でもこういった「信用と信頼」が創れることによって、任せることができるようになります。その結果、企業としても幅広いビジネスに展開していけるのです。

また、品質の良いアウトプットを出し続けることで、お客様との「信用と信頼」もより強固なものになっていきます。いわば好循環の起点となり、これが健全な企業の売上と利益につながっていきます。

明るい未来につなげるためにも、この「信用と信頼」の構築は、決して外すことができない重要な考えです。また、当社の教育の中でも最も厳しくみている内容のひとつです。

当社の厳しさの根幹は、ここにあるのかもしれませんね。

強さは技術だけではなく、哲学にこそ宿る

6回にわたる連載を通じて、サンケイエンジニアリングに通底する哲学を、さまざまな側面から解き明かしてきました。そのすべては、第5回のテーマである「感謝と互助」、そして「信用と信頼」という強固な価値観から派生したものでした。サンケイエンジニアリングの本当の強さは、最新の設備や高度な技術だけにあるのではなく、これらの哲学に根付いたものであるということがわかります。

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