研究者の視点を活かし、実験でお客様の満足度を高める。切磋琢磨する若手チームの一員

北海道大学大学院を修了したK.S.さん。サンケイエンジニアリングで技術営業として活躍する入社2年目の若手社員です。植物の分子生物学研究のバックグラウンドを持ちながら、技術営業の世界に飛び込みました。顧客の課題解決に取り組む日々の中で感じるやりがいや、若手中心のチームで働く魅力について語ってもらいました。
両親の言葉をきっかけに入社を決意
――大学時代はどのような研究をされていたのですか。
北海道大学で生命科学を専攻し、植物の分子生物学を研究していました。ミクロの世界では植物も人間や動物とほとんど同じ機構を持っているんです。植物研究が人間の医学にも応用できる可能性がある点が面白く、夢中で学び、大学院まで進学しました。
しかし、研究室には根っからの研究者がたくさんいました。生物系の研究は対象のライフサイクルに合わせる必要があるので、週7日、朝から晩まで植物の前に張り付きっぱなしなんです。私はやっぱり土日は休みたいし夜は飲みに行きたい。「生きる世界が違う」と感じ、研究ではなく就職の道を選びました。
職種より「面白そうな会社」、また経営層との距離が近い会社で探していたところ、サンケイエンジニアリングからオファーをもらいました。最初は、コンタクトプローブを知らなかったので、「よく分からない会社だな」と不審に思っていたんです。しかし、面談に社長が現れ、会社としての考え方や仕事の面白さを率直に語ってくれて、俄然興味が湧きました。また、トライアンドエラーを繰り返す仕事の進め方も、今までの研究と似ていて共感できました。
最終的に、もう1社内定をいただいた化学系メーカーと迷いに迷いました。しかし、面接後の私の表情を見た両親に「迷いなくサンケイエンジニアリングに決めると思ってた」と言われたことがきっかけで、入社を決めました。自分では分からなかったのですが、ずいぶん明るい表情をしていたそうです。
コンタクトプローブと技術営業の役割
――現在の仕事内容を教えてください。
技術営業として、お客様の対応をしています。メールでの回答をはじめ、お客様の課題に対しての社内実験や検証の実施、特注品の設計から手配まで、幅広い業務を担当しています。普通イメージする営業職とは少し違って、売り込みをするというよりは、「この課題を解決できますか」というお問い合わせベース。お客様の前では技術者として打ち合わせします。
コンタクトプローブは検査用の接点として使われる製品。お客様の製品や部品に接触させて電気的な検査を行うための道具です。難しいのは、プローブを当てる側の製品が本当に千差万別で、形や大きさ、表面の状態や金属の種類、環境など、様々な要素が重なり合うため、理論だけではプローブを選びきれない点ですね。社内の知見に基づいて検討し、実際に実験することで最適なものを導き出す。こうした部分で私たち技術営業の出番があると言えます。
コンタクトプローブは、お客様の生産や検査のラインに組み込まれるため、お客様のラインを止めないために最初にしっかりとお客様に合った製品を提案することが重要なのです。
若手中心のチームで充実した仕事環境
――技術営業部署の体制はどのようになっていますか。
社会人歴3〜4年目の若手が中心の5名の部署です。年齢が近いこともあって、コミュニケーションが取りやすく、柔軟に動ける点が良いと思っています。反面、昔から蓄積されてきたノウハウの確認がしにくい点が課題でしょうか。ただ、弊社は社長との接点が多いので、分からないことがあれば社長に直接聞いています。
また、チームで動いていると責任の所在が不明になりがちなので、毎日ミーティングを行い、認識合わせを徹底しています。仕事量のバランスがとれるようになり、最近はかなりスムーズに回っていると思います。
――日々の仕事の中でやりがいを感じるのはどんな時ですか。
色々な業務に関われることがやりがいですね。問い合わせ対応、実験、設計など様々な業務を担当し、日々変則的に動いているので、単調さはありません。
実験の面白さもあります。実験結果が良くなくても、試行錯誤していたら意外と面白いデータが取れることも。実験そのものは失敗に終わっても、それが事実として蓄積されていくことが大切なんです。成功体験の蓄積しかない場合、「できないこと」が分からない。しかし、「こうすると失敗する」という事実が蓄積されれば、「成功」と「失敗」両方の経験から予測の解像度を上げることができるため、次回からより効率的なアプローチをすることもできます。
――入社1年目から成長を感じる瞬間はありますか。
最初の1年間は通常の業務とは別で、営業のサポートツールを作る仕事に取り組んでいました。また、工場に加工の手伝いに行ったこともあり、実際の加工の緻密さやその難しさを実感することができました。その時から、周りの人の話していることをよく聞くようにしていたので、その知識や現場で見聞きしたことが、今のお客様との打合せにも活きていると感じています。
手を動かし実学を蓄積して成長する
――これからの目標を教えてください。
案件の主担当として動けるようになりたいです。少しずつ任せてもらえる部分が増えてきてはいますが、実際はまだ拙いところがあります。そのために、1つの物事を複数の視点から見つめる力を磨き、調査力と行動力を向上させたいですね。
会社では、現場や先輩の話などいろいろなところに情報があり、必ずしもまとめられているわけではありません。情報を探し出し、予測をつける能力は大切だと思います。また、お客様の製品の使い方は、現地に行くまでは、図面や事前ヒアリングから想像するしかないので、最初から決めつけずに様々な可能性を想定できる力も必須だと思っています。
――後輩に伝えたいことはありますか。
「とりあえず手を動かしてみる・やってみる」ことでしょうか。弊社は、お客様の実験に加え、自分が勉強するための実験も自由にできる環境がありますので、分からないことはやってみるのが成長への近道です。実際に手を動かしてみると、プロセスを頭の中で描きながら説明できるようになり、技術営業としても説得力が増すと思います。
会社からは「新規プロジェクトにジョインしたい人」「工場に行きたい人」など、様々な経験をする機会が提供されます。こうした機会を活かして、幅広い視点を身につけられる環境が整っているのも魅力だと思います。