150kmを駆ける2拠点生活!平日は精密なモノづくりに奮闘し、週末はファゴットを奏でる

MEMBER
2025.06.04
#若手#転職

山梨と千葉を毎週往復する入社1年目のK.T.さん。平日は山梨県のM&T BASE HOKUTO(以下:HOKUTO)でコンタクトプローブの精密加工に携わり、週末は東京を活動拠点とするオーケストラでファゴット奏者として演奏活動を続けています。「まったく違う分野ですが、似ている点もあるんです」と語るK.T.さん。時間管理を意識して、「ワーク・ライフ・バランスを諦めない」新しい働き方を実現しています。そんなK.T.さんの仕事と情熱を追いました。

思いがけない転身の道のり

――薬学を専攻していたそうですね。製造業へ目を向けたきっかけを教えてください。

千葉大学薬学部で、「薬の錠剤はどのような形がもっとも飲みやすいのか」をさまざまな方面から調べる研究をしていました。元々は薬剤師を目指していたのですが、大学のカリキュラムの都合で免許が取れなくなってしまったんです。その後大学院へ進学し薬学の研究を続けながら、オーケストラサークルの活動にも打ち込み、気づいたら12年を過ごしていました。

就職活動では、全く新しい分野に挑戦しようと決めていました。最初は、ガジェットへの興味から、ITや電子機器系の仕事に目が向いていたんです。エージェントからサンケイエンジニアリングを紹介されたとき、一度は断ってしまいました。しかし、就職活動を続けるうちに「分野にこだわらず、いろいろな会社を見せてもらうほうがいいな」と気持ちが変わったんです。再度紹介されたのを機に、会社見学に参加することにしました。

――入社の決め手はどのような点だったのでしょうか。

会社見学のとき、話をした先輩方はみんな年下や同い年。しかし、やはり社会人らしく考え方がしっかりしていて、「ここなら自分も成長できるかもしれない」と思いました。私は入社当時(2024年3月当時)30歳での新卒入社で、大卒ストレートで就職した人とは8年の差がある状態。少しでも差を埋められるよう、成長できる環境を求めていたんです。

会社見学の日に社長面接を受けました。社長から「合格です。HOKUTOの配属になるけれど大丈夫?」と言われ、正直迷いました。入社できるのはとても嬉しかったのですが、山梨県北杜市はオーケストラの活動拠点である東京から150キロほども離れています。「今の団体でオーケストラを続けられるのか」という点が気がかりで、一旦考えさせてもらいました。

帰宅してじっくり考えると、「何とかなりそうだ」と思えてきました。会社の雰囲気や環境には非常に惹かれていましたし、土日祝日がしっかり休みなので、オーケストラも続けられそうでした。「とにかく入ってみないと何も始まらない」と思ったのも決断の理由です。

オーケストラとファゴットの楽しみ

――オーケストラではファゴットを演奏しているのですね。

ファゴット奏者は少なく、日本全国でも1万5000人程度しかいないと言われています。さまざまな楽器と一緒に演奏する機会があり、単独で目立つというより、合わせる楽しさがあるところが魅力です。

私はどうも断れない性格でして、ファゴットを始めたのも「人数が足りない」と頼まれたのがきっかけですが、経験を重ねるにつれ、あちこちから「ファゴット奏者がいないから来てほしい」と呼んでもらえるようになり、どんどん活動が増えていきました。

休日は実家の千葉に戻って、市民団体などのオーケストラで演奏しています。仕事の日は仕事に集中し、自分の時間としっかり切り替えています。特に金曜日は千葉への移動日なので、定時で上がれるよう、先取りをして一週間のスケジュールと段取りを考えます。幸い、チームの皆さんも配慮してくれているので、助かっています。

HOKUTOでの仕事と新生活

――現在の仕事内容を教えてください。

NC旋盤という機械を使って、コンタクトプローブの部品を作る金属加工の仕事をしています。金属の棒を機械で削って部品の形を作っていくんです。

精密な部品なので、誤差をいかに許容範囲内に収めるかが難しい点です。機械上では細かく調整できても、実際には誤差が出てきてしまうものです。また、機械の不調で予定通りに進まないこともあります。夜間稼働の機械が何らかのトラブルで止まってしまい、朝出勤したら生産が全然進んでいなかった、ということも。

最初は何も分からず、「ボタンを押したら機械が壊れるんじゃないか」と、こわごわ作業をしていたことを覚えています。しかし今では、先輩や同僚メンバーに確認したり教わったり、マニュアルを見ながら、日々の業務を通じて少しずつスキルを身につけてきました。2回目以降の作業では、1回目よりも早くできるよう心がけています。これからは、機械の構造や仕組みをもっと理解して、機械トラブルの対応もできるようになりたいと思っています。

――北杜での生活はいかがですか。

初めての一人暮らしはやはり大変です。食事は簡単なもので済ませることが多いですし、冬の寒さにも驚きました。ただ、何をしても自分の責任というのは、大変な反面、気楽さもありますね。

職場のメンバーは年齢が近いので、気になることを質問したり提案したりするのも、あまりためらわずにできます。みんなが目的をはっきり持っていて、それに向かって足りないところを指摘し合える、良い関係性が築けています。

ものづくりと音楽の調和

――工場での仕事とオーケストラ活動、共通点はありますか。

意外と共通点があると思います。楽器を上手に演奏するには、体の使い方や指の動かし方など、身体的な技術が必要です。「この指がうまく動いていない」と意識して改善するなど、トレーニングのような面があるんですね。イメージをしっかり持って、それを実現するために行動したり考えたりする点は、仕事と近いかもしれません。

――今後の展望を教えてください。

会社見学のときに出会った先輩方のように、後輩から「こういう人になりたい」と思ってもらえるような先輩になりたいです。まだ入社して1年経っていませんが、この間に学んだことはたくさんあります。それを後輩に伝えていけるよう、これからも成長していきたいと思います。オーケストラも一生の趣味として続けていけるよう、仕事も趣味も、両方を大切にしながら充実した生活を送っていきたいと思います。

What's a Company Tour?

会社見学って、なんなんだ?

ありのままを、
正直に。

実は業界未経験者、非理系出身者が多数在籍している サンケイエンジニアリング。ちょっと変わったところが 多いがゆえに、見る・聞く・触るの体験を大切にしています。

ここを観たい、こんな社員と話したい、相談にのって ほしいなどのリクエストも遠慮なくどうぞ。

Tour 01
Tour 02
Tour 03
READ MORE